行商レポート vol.25:roid works gallery

courtesy of each artist, roid works gallery, gemba-firm and SPIRAL/Wacoal Art Center
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ロイドワークスギャラリーのギャラリー紹介は こちら から
他の展示風景・作品画像は こちら から


スパイラルカフェ横に据えられたひとつの大きな壁で作品を紹介していたのが、ロイドワークスギャラリー。文京区湯島と上野からそう遠くはない場所で、現在は企画展開催時のみ不定期でギャラリースペースを開いているそうです(今後ギャラリーとして常設する予定)上野界隈と言えば、個人的には美術館鑑賞がメインになってしまっていましたが、行商に出展したギャラリーでロイドワークスに花影抄(根津)、他にはスカイ・ザ・バスハウスやギャラリー・ジン、ガレリア・デ・ムエルテ、ギャラリー空、勿論東京藝大のお膝元と、ハコのジャンルを問わない幅広い美術体験が出来る一帯である事を改めて確認した次第です。

今回ロイドワークスが出展したのは4名の作家、小川千尋さんに田守実夏さん、原田慎也さんに南正彦さんです。ブース左手に展示されていたのは原田さん。十字に展示された真ん中に明らかに釈迦と思しき御姿が。また、その他の作品もその立ち姿や装具から見ると神仏の表象ではあるようです。当ブログのギャラリー案内にもあるように、中心の作品はまさに釈迦なんですが、随分ハードコアな感じがしますね。ハードコアと言葉にすると、どこかフェティッシュだったり暴力的な表現を思い描きがちですが(私だけだったらスミマセン。。。)、感情的主観的な意味付けを排すればそれは「中核」を意味する訳で、原田さんのバックグラウンドが例えば作品に現れている様な世界観だったとして、それが神仏の形に繋がるのは何ら意外な事ではないんですよね。仏の頭がみっつにハトサブレと一見笑いを誘う世界に見えつつ、その実非常に思慮深い小川さん(小川さん自身の説明が良いのでこちら を読んでね!)の作品に、幻想的な物語が背景にありそうな感触を孕みつつ作家本人の好きが思いっきり詰まっているのか、画面から人となりまで感じる暖かさと面白見があった田守さんの作品、そして鉛筆や木炭で静謐な世界を描く南さんは筆を画面に置き描いてゆく様を想像しても、どれも相当「ハードコア」。そう言えばディレクターの井浦さんが纏う雰囲気もどことなくハードコア…かどうかはとにかく、美術を心より愛し誠実な活動を続けていける優れた作家を、今後とも紹介して頂きたいですね。