行商レポート vol.05:Gallery惺SATORU


courtesy of each artist, Gallery惺SATORU, gemba-firm and SPIRAL/Wacoal Art Center
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ギャラリー惺SATORUのギャラリー紹介は こちら から。
他の展示風景・作品画像は こちら から。


武蔵野や三多摩地区は美大はあるものの、あるいはそれゆえか、ギャラリーというよりオルタナティヴスペースとして活動している所が多い気がします。そんな中で着実なギャラリー活動を続けられている、そして我が家から自転車で行ける数少ないギャラリーのひとつ(いらない情報ですね、ハイ)、ギャラリー惺SATORUの出展内容を紹介。

出展作家は藤田道子さん(版画にコラージュ等)、酒井稚恵さん(お洋服の様な布による立体)、木村夏樹さん(フォトコラージュ)の3名。版画のやわらかな色彩に可愛い布地の作品が続き、コラージュが収まったハコが清潔な白となると、酒井さんの大きな、黒い花弁の様な作品がキュッと雰囲気を引き締めていますが、ギャラリーブース全体が優しい女性の部屋みたいに感じられました。すると、じゃあこういう部屋に住んでいる女性ってどういう感じだろうという妄想が始まってしまうのですが、それは趣味に走り過ぎるので止めておきます。

藤田さん、版画がメインっぽく書いてますが、小さなキューブの立体作品やガラスに描いた様な作品など、素材や技法を問わずに幅広い制作をされています。版画だと思えない柔らかく可愛らしいその色彩に思わず、女性が身につける物や小物をモティーフにしていませんか?と聞いてしまいましたが、具体的な何かというよりは抽象的に描き出すのが作風なんだそうです。お洋服らしき布を使った酒井さんの作品は、飴ちゃんだったりお花だったり、スカートか帽子に見えたり、まさに女の子!って感じなのですが、再生という意味で新しい命をそこに作り出しているようにも思えます。「女性らしさ」が持っている強さの表れなのかな。木村さんの作品は、フォトコラージュがこだわりのハコ(小沢剛さんのなすび画廊などを思い出すのですが)の中に収まって、それが何点も連なる事でインスタレーションが広がっています。透明感のある写真を覗きこんで楽しむお客さんの姿も印象的でした。