行商レポート vol.13:万画廊

courtesy of Yuko Takagi, Yorozu Gallery, gemba-firm and SPIRAL/Wacoal Art Center
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万画廊のギャラリー紹介は こちら から
他の展示風景・作品画像は こちら から。


名古屋から出展の万画廊。高木優子さんを個展で紹介していました。なお、ギャラリー内レーベルのTen Thousand Galleryが中川知洋さんをフィーチュアしてユンゲにも出展していますが、そちらは後ほど紹介します(当ブログの出展者紹介のページで、行商当日の出店内容に即して、万画廊とTen Thousand Galleryの画像内容が逆になっていますね。私の目がおかしい場合もあるので、確認して後、訂正しますね)

作家が集めているというアンティークの額装がなされた絵画は、主に日本画の技法で森林など自然の風景が描かれていました。立体作品も1点ありました。ブースの白い壁を贅沢に使っている様にも見える、小さい作品が小気味の良いリズムで並び、そのサイズ感から、画面を覗きこんで一体何が描かれているかを確認するお客様の姿も見受けられた気がします。絵具と技法が織りなしているのか、深い色彩が印象的で、まずその素朴ささえある味わい、もしかしたら寒空の下に浮かぶ景色なのかもしれないけれど、手業によって素直に伝わってくる暖かさが素敵でした。私自身歴史的なマスターピースの鑑賞経験と知識が浅い人間なのですが、そういった私でさえ知っている様な近代日本画洋画のタッチを継承しているのかなぁなんて思うそのディテールの在り方は、感覚的な懐かしさをもたらしてもくれました。「経験して」の懐かしさではないのかもなんですが。ただ、若手〜中堅にあたる世代の高木さんなので、私が浅学なだけで、その画面上では某か旧来の絵画的価値観が刷新されているかも知れません。曖昧な表現が続いててスミマセン。

ブースで読むことの出来た高木さんの作品集は、表紙がまさにそれなんですが、印象的な人物画も多く収録されていました。思わず「クリムト好きですか?」と高木さんにも聞いてしまった、似ているようで、でも高木さん独特のタッチは、すぐに見たいなぁと思わせられる位の質でした。アートフェアにしてもギャラリーにしてもそうですが、ブックや過去作品を収めたカタログは見ておいた方がいいですね。新しい出会いがあるかもしれません。